子どもには生まれながらに「学びの本能」がそなわっています。もっと見たい、もっと知りたい、もっと体験したい…。キドキドは、子どもたちのこうした意欲を、あそびを通じて満たします。ごっこ遊びは生活技術やコミュニケーションの学び、ブロック遊びは幾何学や創造の探求、体遊びは体力や身体能力への挑戦。キドキドは、子どもがこうした体験を楽しく得られるように考えています。
親はつい、子どもに対して「もっと知識を」と思ってしまうかもしれません。でもたとえば、「電車」「車」「恐竜」などを、放っておいてもスラスラ覚えてしまうように、子どもは好きなことならどんどん知識を習得します。親は、子どもが楽しい、おもしろいと感じながら学びの本能を満たせるような環境やあそび道具を用意してあげることが大切です。そうすれば子どもは心配しなくても自ら学びはじめるのです。
子どもと言葉の最初の出合いは、両親の語りかけです。たとえ意味はわからなくても、親からたくさんの言葉をかけられるうちに、「アー」「ウー」と音を発しはじめます。やがて、「マーマ」「ブーブ」という単語になり、次第に動詞や形容詞を混ぜながら簡単な文章を表現します。幼稚園に上がるころにはお話しや会話ができるようになります。
言葉の学びは、まず耳で聞くこと。そして「まる=◯」「さんかく=△」といった、言葉や文字と形をマッチングさせていきます。語彙が増えてくると、「きれいな・まる」「あかい・さんかく・が・ある」といったように、言葉と言葉をつなげて文章化できるようになり、話の内容が理解できるようになります。
子どもが言葉を習得するには、言葉の世界がいかに豊かでおもしろいか、子どもの興味や意欲をふくらませてあげることが大切。そのために、良質な遊具やあそび環境が役に立ちます。
子どものあそびには、構成遊びと呼べるものがたくさんあります。積み木やブロック、パズルなど、パーツを並べたり組み立てたりするあそびです。構成遊びは、物をしっかり見て観察する、空間や構造を理解する、算数の入口でもあります。
子どもと形の最初の出合いは、触る・握る・投げる・叩くといった、物との対話です。そのうち、大人が「四角い積み木」「丸いボール」「屋根のような三角」などと語りかけることによって、形と名前を覚え、四角いブロックを並べたり積み上げたりを体験しながら形のしくみについて学びます。しばらくすると、積み木を高く積み上げるにはどうすればいいか、より安定させるにはどんな工夫が必要か、といった「構造の探求」へと深まっていきます。
幾何学や数は抽象的な概念であり、これらは物を実際に扱いながら、実体験を積み重ねることでしか学ぶことはできません。子どもと同じ目線で「なに?」「なぜ?」に寄り添いながら遊んであげてください。
小学校高学年(9〜10歳ごろ)になると、分数や少数、文章理解など、実際に目で見たり触ったりできない抽象的な概念を扱う授業が増えてきます。すると、問題の内容が理解できないあまり意欲を失ってしまう子どもが出てくるといいます。そうならないように、幼稚園入園前の子どもたちを対象にした欧米のプレスクールでは、教育遊具を上手に取り入れて、子どもがマイペースで数や算数に親しめるカリキュラムを設けている施設もあります。
子どもは、言葉と同じように大人の語りかけを通して数と出合います。「ほっぺは2つだね」「リンゴが1つあるね」のような、たくさんの対話によって「ひとつ=●=1」「ふたつ=●●=2」と、音→実物の数→数字をマッチングしていきます。やがて、「1と2で3」「3は1が3つ」といった計算ができるようになっていきます。
子どもが数に親しむために大切なのは、実際に指先をつかったブロック遊びなどを通して「体験」すること。いきなり「記号」としての算数を学ばせようとしないことです。そろばんを習得した人は、実物がなくても頭の中にそろばんを思い描いて暗算ができるのと同じように、子どもは具体的な物をつかった経験をしっかり体に残すことで、後の抽象的な思考を支えることができるのです。
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