栃木県足利市の社会福祉法人「足利むつみ会」の理事を務める阿由葉洋平さん。ボーネルンドがプロデュースした足利市屋内子ども遊び場「キッズピアあしかが」を運営してちょうど10年になります。ボーネルンドとの出会いから、試行錯誤が続いたオープン当初の様子など、ざっくばらんにお話いただきました。
室内のあそび場をつくる市の事業の公募に応募することとなり、福島県のペップキッズこおりやまを見学しました。たくさんの子ども達が思い切り体を動かして遊ぶ様子に感銘を受け、場内にあったボーネルンドのプレートを見てコンタクトを取ったのが、最初の出会いです。
当初私たちには、「広い室内にたくさんの遊具を準備すればいいのかな」というざっくりとしたイメージがあるだけでしたが、ボーネルンドからは全世代があそびを通して関係性を育てる場所として提案を受けました。子どもたちの成長を軸に、親御さん、おじいちゃんおばあちゃん、世代を超えたつながりを作れる場所。それはとても理想的だなと感じたのを覚えています。
足利市から正式に委託を受け、2014年に「キッズピアあしかが」を立ち上げました。全く新しい挑戦でしたので、運営には非常に苦労しました。特に最初の3ヶ月間ぐらいは休みもなくて、「あっという間に始まったけど、これからどうする?」と途方に暮れるような思いでした。その後キドキドでの研修や施設見学を重ねて、どんな施設がいいのか、イベントはどのように組み立てたらよいのか。ずっと勉強しながらやってきています。
今年で10周年を迎える足利市屋内子ども遊び場「キッズピアあしかが」。ボーネルンドがプロデュースした施設では最大級の広さ(1551㎡)。
プレイリーダー研修のために訪れたテラスモール湘南店では、店長に非常に丁寧に説明していただきました。2日間みっちりしごかれたこと、今でも鮮明に覚えています。その後も、自分たちの施設をどんな風に進化させていけばいいか、取り入れられるものがないかと、埼玉、東京、横浜、千葉、大阪、神戸、名古屋…、キドキドが新しくオープンするたびにできるだけ見学に伺っています。その中でやはり、あそび場ではプレイリードが軸になっていることを実感しました。
ららぽーとTOKYO-BAY店にスタッフ10人ぐらいで伺ったこともあります。プレイリーダーたちがどのようにイベントを運営しているのかを目の当たりにすることで、イベントの運営方法や子ども達との関わりについて多くの学びがあり、いまでも私たちの施設運営に役立っています。
環境として印象に残っているのは大阪城公園のプレイヴィルです。特に屋外の環境が素晴らしかった。いつか私たちも公園にあそび環境を作りたいなと思っています。足利市役所の人には機会があるたびに「使っていい場所があれば、いつでもあそび場を移設しますよ!」と話しています(笑)。
私たちは社会福祉法人なので、地域貢献は私たちの重要な使命です。老人福祉施設や障害福祉施設も長く運営しており、「キッズピアあしかが」では軽度の障害を持つスタッフも働いてくれています。難しい受け答えはできなかったとしても、子ども達と一緒遊んだり楽しんだりすることについては、日々勉強してくれていて、私なんかよりも本当に上手に子どもたちに接し遊んでくれています。
また、私たちが心がけているのは、いつ来ても清潔な環境づくり。環境も遊具も大切に丁寧にあつかうことで、10年たっているとは思えない美しい施設を維持できていると自負しています。
何より重要なテーマは、子どもたちの成長に私たちがどのように関わっていくのかということ。次はこれをやってみよう!チャレンジしてみよう!と思って、また来たくなる施設になれたらと願っています。そして、親子で本当に楽しんでもらうこと。親子の関わりを深めるきっかけづくりに寄与できたらいいなとずっと考えています。
阿由葉洋平さん
栃木県足利市にて老人福祉事業や障害福祉事業、児童福祉事業を展開する社会福祉法人「足利むつみ会」理事。「キッズピアあしかが」の立ち上げ、運営に関わる。ボーネルンドがプロデュースした「キッズピアあしかが」は今年で10周年。毎年20万人近くの親子が訪れる人気施設に成長している。
足利市屋内子ども遊び場「キッズピアあしかが」
栃木県足利市朝倉町2-21-16 ヨークタウン足利2階 ℡0284-64-8650 営業時間:9:50~17:00(60分入れ替え制) 入場料:子ども保護者とも 1クール 100円
http://mutumikai.ecnet.jp/kidspia/